AutoCAD互換の歴史
AutoCAD(オートキャド)、IntelliCAD(インテリキャド)、
Open Design Alliance(オープンデザインアライアンス)のCADソフトの動きと歴史について紹介します。
相関図
AutoCAD との極めて高い 互換性を第一に開発。乗り換え後もスムーズにお使いいただけます。
AutoCADとは
AutoCADは、米国のAutodesk社が開発する汎用の2次元CADソフトです。製造業、建設土木など様々な分野の世界中の企業で多く利用され、2次元CADのデファクトスタンダードとなっています。
IntelliCADとは
IntelliCADは、米国非営利組織のIntelliCAD Technology Consortium(ITC)によってソースコード及びブランドが管理されているCADソフトです。AutoCADとのコマンド及びデータの互換性が高く、AutoCADに代わるプラットフォームとして利用できるように開発されました。現在、IntelliCADは、英語、ドイツ語など17ヶ国語に翻訳され世界中で利用されています。
IJCADとは
IJCADは、インテリジャパン社が開発するAutoCADの互換CADソフトです。2013まではIntelliCADに独自の仕様の追加と性能改善など改良を加え日本市場に合わせて製品化していました。2014以降は、IntelliCADを利用せず、ODAが提供するTeighaをベースに独自に開発し製品化されています。
Open Design Alliance(ODA)とは
Open Design Alliance(ODA)は、CADのデータフォーマットを広く公開できるように推進している米国の非営利組織です。
IntelliCADは、開発当初からODAの提供するツールキットをCADのエンジンとして採用しており、ITCとODAは非常に密接な関係にあります。
現在、40ヶ国1,000社以上の企業が会員となっており、著名な企業としては、アドビ、オラクル、シーメンスやGoogleなどが上げられます。
年表
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MarComp社が
AUTODIRECTを開発
MarComp社(米国のベンチャー企業)がDWGファイルへの直接アクセスできるツールキットを開発。
Autodesk社の登録ディベロッパーとして、ライセンスをはじめる。このツールキットは、改良が積み重ねられ、DWGファイルの2.5から14までをサポートする。
Autodesk Developer Networkの
会員から除名
Autodesk社が
Softdesk社を買収
Autodesk社がSoftdesk社を9,000万ドルで買収。これにアメリカ連邦取引委員会から独占禁止法に抵触の疑いがあるとしてクレームがつく。協議の結果、Softdesk社が所有する“Phoenix” の資産及び技術者を2007年まで買収または技術者の取込みはしないという条件で買収が認められたと言われている。
Visio社とAutodesk
社が全面対決
ビジネスグラフィックス分野を開拓したVisio社はCAD市場参入を決定。B.T.社を670万ドルで買収する。これによりVisio社とAutodesk社が全面的に対決することになる。
非営利組織のOpen DWG Aliance(ODA)を設立
1998年2月Visio社は、CADデータベースのオープン化戦略をとる。非営利組織のOpen DWG Aliance (ODA)を設立し、買収したMarComp社の資産を無償で提供。世界中のCAD/CAM関連企業に参加を呼び掛ける。
Autodesk社がActrix
製品を終息
非営利組織のIntelliCAD Technology Consor-tium(ITC)を設立
ソースコードを含めIntelliCADの全資産をITCに譲渡する。ITCはソースコードをオープンにし、製品開発の協力をCADベンダーに呼びかける。
Autodesk社のObject
ARXに相当する開発環境“TX”を発表
DWGの商標を
使用できない
“DWG”の商標に関してAutodesk社とSolidworks社が合意。それを受けODAとしても今後“DWG”を使用しないことに。DWGDirectの新しい名称は“Teigha”となる。
極秘プロジェクト
としてIntelliCADの
開発がスタート
Softdesk社(A/E/Cマーケットの米国最大手のAutoCADアドオンソフト開発会社)内の開発チームが、極秘プロジェクト(コードネーム“Phoenix”)としてIntelliCADの開発がスタートする。AutoCADに置き換わるCADとして、当初から互換CADを目標に開発が進められる。
“Phoenix”の技術者がBoomerang
Technology(B.T.)社を設立しプロジェクトを継続
Visio社がOpen Design Alliance(ODA)を買収
IntelliCAD98を発売
1998年2月Visio社は、本格的なAutoCAD互換CADのIntelliCAD98を349ドルで発売。※日本は未発売。
“Actrix”の市場投入を発表
Autodesk社が、ビジネスグラフィックス分野の新製品を開発
Microsoft社がVisio社を買収
1998年2月Visio社は、CADデータベースのオープン化戦略をとる。非営利組織のOpen DWG Aliance (ODA)を設立し、買収したMarComp社の資産を無償で提供。世界中のCAD/CAM関連企業に参加を呼び掛ける。
AutoCAD2004フォーマットに対応した
ツールキット
DWGDirectを発表
Bentley SystemsとDGNフォーマットのサポートに合意する。
各社製品の
基本ベースを統一
ITCは、オープンソースの課題であるフォーク(枝分かれ)問題を解消しようとメンバー規約を変更する。この結果、独自の互換CADを開発できないとITCから脱退するメンバーがでるようになる。Bricsys(BricsCADのメーカー)やインテリジャパンなどは、その流れでIntelliCADのプログラムソースを利用せず、独自で開発し製品化を行っている。
インテリジャパンが
目指すもの
日本には、多くの優れた国産CADが存在するがゆえに日本全体から見たときに生産性が落ちているのでは?ひとつひとつのCADは、日本市場の特殊用途にも対応し、生産性は高いものがあります。
しかし、他のCADとのデータ互換性という点で問題があります。海外との取り引きなどCADデータのやりとりが増える中、このデータ互換性の悪さが付加価値の生まないデータ変換・修正作業などを発生させています。また、データ互換問題以外にも各CADの仕様が異なるため、その習得が負担になっています。日本全体から見れば大きな損失です。
一方、新興国では、AutoCADが圧倒的なシェアを占めているため、CADデータのやりとりで不要な作業はほとんど発生しません。また、AutoCADを使えるようになれば、それで2D/3D_CADの習得は完了です。このように現状の不統一なCADの状況が、日本企業の競争力を殺ぐ原因の1つにもなりかねません。これも、ガラパゴス化の1つといえます。
インテリジャパンは、AutoCADとその互換CADで日本の主要な2D/3D_CADのフォーマットを.DWGで統一することを目指しています。もちろん、AutoCADではカバーしきれない特殊な市場には、純国産CADや特殊な外国製CADが必要です。しかし、それ以外の主要なマーケットを.DWGで統一することが、日本全体の生産性アップにつながると考えます。
実現するために
必要であると思うもの
- 低価格
- 製品の品質・性能に
おける一定基準の確保 - OSなど最新の環境で
利用できること - サポート体制
- 製品の品質・性能に
おける一定基準の確保 - 日本市場の
ニーズに対応した
日本製互換CAD
これらを提供することが
インテリジャパンの使命と考えています。